シー・シェパード初公判 元船長、侵入を正当化 「背景にいろんな事情」(産経新聞)
「世界最速のスキッパー(船長)」と呼ばれた海の男は、法廷で傷害を除く4つの罪を大筋で認めた。27日、東京地裁で開かれた米団体シー・シェパード(SS)元船長、ピーター・ジェームス・ベスーン被告(45)の初公判。「背景にはいろんな事情がある」と語り、艦船侵入罪では正当性も主張した。かつてバイオ燃料の高速艇世界一周の最速記録を打ち出した、祖国・ニュージーランドの英雄。だが、身柄拘束を経て「抗議活動家というレッテルには違和感もある」と話すなど、揺れる心情をのぞかせている。
午前10時前、黒っぽいスーツ姿で東京地裁の法廷に入ったベスーン被告。検察官による起訴状の朗読が終わると、自身が問われた罪状に、通訳を介して落ち着いた口調で認否を述べた。やや緊張した面持ちだったが、罪状認否後に着席すると、知人を見つけたのか傍聴席に向かって笑顔を浮かべる瞬間もあった。
今回の捕鯨妨害に参加した高速艇アディ・ギル号は、かつてアースレース号という名で、2005年、バイオ燃料船の世界一周最速航行を達成するため、スポンサー企業が約250万ドルを出して建造。船長には元海底油田エンジニアのベスーン被告が選ばれた。
08年6月、約60日間という当時の最速記録を達成。3年間で46カ国の都市に寄港、各地で船を公開し、多くの人々の称賛を浴びた。
一方、寄港先の中南米グアテマラでは海難事故を起こし、漁師を1人死亡させてしまった。ベスーン被告は一時拘束され、多額の補償責任を背負うことに。資金を作り出すために船を150万ドルで売りに出し、購入したのが、米ハリウッドの大富豪の寄付を受けたSSだった。
昨年夏、被告は初めてSS代表のポール・ワトソン容疑者(59)=カナダ国籍、傷害などの容疑で逮捕状=に会い、日本の捕鯨船への妨害活動に参加することを約束した。
しかし、アースレース号から改名したアディ号は、出航から1カ月も満たずに、日本の調査捕鯨団の監視船に激突し、南極海に消えた。ベスーン被告は友を失ったような喪失感を味わい、日本側への船の補償請求などのために今年2月、監視船に侵入。その際に身柄を拘束された。
東京拘置所に勾留(こうりゅう)されたベスーン被告は初公判前、産経新聞の接見に応じ、「日本の捕鯨は許せない」と改めて語る一方、「自分の信じる道を突き進んだあまり、多くのものを犠牲にした。生活を考えなくてはならない」「ワトソンは間違っている」などとも話し、揺れる心境をのぞかせた。
初公判では傷害罪を否認したほか、艦船侵入罪は「正当な理由があった」、威力業務妨害罪は「事情を公判で明らかにする」などとしたベスーン被告。法廷で一部対決姿勢をのぞかせる一方、約半年間会っていない母国の妻や子への思いも残している。
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午前10時前、黒っぽいスーツ姿で東京地裁の法廷に入ったベスーン被告。検察官による起訴状の朗読が終わると、自身が問われた罪状に、通訳を介して落ち着いた口調で認否を述べた。やや緊張した面持ちだったが、罪状認否後に着席すると、知人を見つけたのか傍聴席に向かって笑顔を浮かべる瞬間もあった。
今回の捕鯨妨害に参加した高速艇アディ・ギル号は、かつてアースレース号という名で、2005年、バイオ燃料船の世界一周最速航行を達成するため、スポンサー企業が約250万ドルを出して建造。船長には元海底油田エンジニアのベスーン被告が選ばれた。
08年6月、約60日間という当時の最速記録を達成。3年間で46カ国の都市に寄港、各地で船を公開し、多くの人々の称賛を浴びた。
一方、寄港先の中南米グアテマラでは海難事故を起こし、漁師を1人死亡させてしまった。ベスーン被告は一時拘束され、多額の補償責任を背負うことに。資金を作り出すために船を150万ドルで売りに出し、購入したのが、米ハリウッドの大富豪の寄付を受けたSSだった。
昨年夏、被告は初めてSS代表のポール・ワトソン容疑者(59)=カナダ国籍、傷害などの容疑で逮捕状=に会い、日本の捕鯨船への妨害活動に参加することを約束した。
しかし、アースレース号から改名したアディ号は、出航から1カ月も満たずに、日本の調査捕鯨団の監視船に激突し、南極海に消えた。ベスーン被告は友を失ったような喪失感を味わい、日本側への船の補償請求などのために今年2月、監視船に侵入。その際に身柄を拘束された。
東京拘置所に勾留(こうりゅう)されたベスーン被告は初公判前、産経新聞の接見に応じ、「日本の捕鯨は許せない」と改めて語る一方、「自分の信じる道を突き進んだあまり、多くのものを犠牲にした。生活を考えなくてはならない」「ワトソンは間違っている」などとも話し、揺れる心境をのぞかせた。
初公判では傷害罪を否認したほか、艦船侵入罪は「正当な理由があった」、威力業務妨害罪は「事情を公判で明らかにする」などとしたベスーン被告。法廷で一部対決姿勢をのぞかせる一方、約半年間会っていない母国の妻や子への思いも残している。
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2010-05-28 22:08
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